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前川 藤夫; 今野 力; 小迫 和明*; 大山 幸夫; 池田 裕二郎; 前川 洋
Fusion Technology, 21(3), p.2107 - 2111, 1992/05
ITER等の核融合次期装置の遮蔽設計で使用される安全係数の検証のために原研FNSの14MeV中性子源を利用して行われたバルク遮蔽実験の解析を行った。遮蔽体は厚さ1.12m直径1.20mの大型SUS16円柱である。解析には多群SコードDOT3.5とモンテカルロコードMCNPを使用し、核データセットにはJENDL-3から作成したものを使用した。解析の結果、しきい反応率と2MeV以上の中性子スペクトルでは両計算結果とも実験値との一致は良かった。keV領域の中性子スペクトル、Uの核分裂率、線スペクトル、線核発熱の結果はすべて似た傾向を示し、MCNPの結果は遮蔽体深部(深さ0.91m)まで実験値と数10%以内で一致したが、DOT3.5の結果は深部にいくほど実験値に対して過小評価の傾向がみられ、深さ0.91mの点では実験値の1/2~1/3と大きく過小評価した。
池田 裕二郎; 今野 力; 小迫 和明*; 大山 幸夫; 前川 藤夫; 前川 洋; A.Kumar*; M.Z.Youssef*; M.A.Abdou*
Fusion Technology, 21(3), p.2190 - 2196, 1992/05
核融合中性子工学に関する原研/米国DOE共同研究の一環としてカロリメトリック法によるDT中性子核発熱測定を進めている。真空容器で断熱したプローブ(LiCO,黒鉛,Ti,Ni,Zr,Nb,Mo,Sn,PbおよびW)中の核発熱による温度上昇を白金測温抵抗体及びサーミスタで測定し核発熱率を求めた。高精度電圧計の導入、スイッチングノイズの低減、バックグラウド温度の安定化を図り測定誤差を10%以内とした。実験解析は、JENDL-3を用いたDOT3.5による計算及びENDF/B-Vを用いたMCNPモンテカルロ計算により行った。核発熱率の実験と計算の比較により、計算に用いたKERMA係数の積分的な妥当性を検討した。その結果、JENDL-3及びENDL-85を用いた(KERMA)計算は、Zrを除き実験値を15%以内で再現することが明らかとなった。他のライブラリー(RMCCS,ENDF5T,MBCCS)はガンマ線の計算に問題が残り30%以内の一致となっている。
今野 力; 前川 藤夫; 池田 裕二郎; 大山 幸夫; 小迫 和明*; 前川 洋
Fusion Technology, 21(3), p.2169 - 2173, 1992/05
ITERのような次期核融合装置の遮蔽設計の精度向上を目指し、原研FNSにおいて、一連の核融合遮蔽実験を開始した。その第1段階として、SS316を用いたバルク遮蔽実験が行なわれた。実験には2つの体系が使われた。一つは、SS316の円筒体系(直径1.2m、厚さ1.12m)で、D-T中性子源から0.3mの距離に設置された。もう一つは、D-T中性子源を囲む厚さ0.2mのSS316のソースキャンを追加したものである。体系内中性子スペクトルが、小型反跳陽子ガス比例計数管と14NE213を用いて測定された。ガンマ数スペクトルは40NE213を用いて、線核発熱率はTLDを用いて測定された。また、中性子スペクトルの指標として、U・Uの核分裂率及び放射化反応率分布も測定された。得られた実験データをもとに、次期核融合装置の遮蔽設計で用いられる核データと計算コードの妥当性がチェックされ、遮蔽設計の精度が向上すると期待できる。